中教審特別部会は9月5日に次期学習指導要領の素案を公表しました。ポイントは2つだと思います。
(1)各教科の授業時数(コマ数)を一定範囲で増減可能にする「調整授業時数制度」の創設
(2)生成人工知能(AI)などデジタル環境の発展に対応した情報教育の強化を図るため、中学校に情報・技術科を新設
とりあえず、(1)は「学校裁量で多少、教科の指導時数を変えられますよ」という柔軟な姿勢がみられます。しかしながら、穿った見方をすれば、教師が足りない教科の時間を削り、余裕のある教科に回すのかな・・と。少子化が進み職員が減って配置が大変ですから、気持ち分かります。各学校で児童生徒の実態に合わせた取り組みを行う上でよいかと思います。
さて、(2)がでてきたので、またプログラミング教室が活気づくのでしょうか。現行の指導要領が発表されたとき、小学校にプログラミングが導入されるということで、幼稚園や学習塾の空き教室などを使った、プログラミング教室やロボット教室がどっと出現しました。そもそも、今では下火になって、子どもが集まらずいつのまにか無くなったところも多いように感じます。
数万円ものブロックのおもちゃを買わされて、大学生のバイトを雇い組立てさせるだけで、高い授業料をよく払う保護者がいるなと感じていました。本当に多大な広告料、周到なマーケティングのチカラはスゴイと思いました。それらの教材がフリマサイトに大量に出品され、ブームの終焉を知らせています。
プログラミングだとか英語だとかあまり世の中の風潮に流されないようにした方がいいのではないでしょうか。それでは、新設される「情報・技術科」では、どのような内容を扱うのでしょうか。
生成AIの仕組みと活用
情報セキュリティと法令遵守
データの集計・分析
プログラミングとアルゴリズム思考
情報の伝達とその社会的影響
情報モラル以外は理系的な内容です。現行の高校情報もかなり理系的な素養が求められる内容になりました。ここまで、読まれた方は薄々気づいているかと思いますが、大切なのは「実は数学なんです」。
セキュリティ、データ、プログラミング、アルゴリズム、情報伝達・・数学が基本です。数学ができた方が圧倒的に有利です。テック塾ではプログラミング教室やロボット教室と言わず、実技中心でもあくまでも「学習塾」と捉えています。つまり、算数・数学(理科)は外せません。
最後に大学進学を考えてみてください。国公立大学への進学の一番の条件は英語でないんです。数学ができるかどうかなんです。今後、文系に行ったとしても、データサイエンス等が必要になり、数学が決め手になるでしょう。これは私感ですのでお許しくだい。
※もっといえば、国語が最重要科目です。しかしながら、受験テクニックは別として、読書や日記の習慣を定着させるとか、知らない語彙があったら調べるとか、自分の行動を変えれば大きく伸びるものです。ここではあえて外しました。
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